【コーヒー農園:品質向上の様々な取組シリーズ③】作業標準化:コーヒーチェリー収穫後、加工場でのデータ収集
2024/11/30
DAILY STORY

【写真1:雨季の農園風景】
小雨季の雨により、日々、目に見えてコーヒーの木々の緑が深くなってきています。道路を車で走っても、砂埃が立たなくなったのも、生活面での変化の一つです。乾季と雨季で全く異なる様相になります。
さて、今回は、作業標準化の取り組みとして、コーヒーチェリー収穫後、加工場でのデータ収集についてご紹介します。
<取組③>作業標準化_コーヒーチェリー収穫後、加工場でのデータ収集
コーヒーチェリーは、収穫後、外皮・果肉除去、発酵、乾燥…の様々なプロセスを経て生豆(=焙煎前のコーヒー豆)として出荷されます。
【ご参考】コーヒーの加工プロセスと商品の違い
Coffee – African Stories
しかし、この加工プロセスの進め方については、これまでは明確な基準値があった訳ではなく、ほとんどがワーカーさんの感覚値・経験測に頼って作業が進められていました。
また、加工プロセスでは気候の変化も大きな影響を与えていると考えられますが、この点も数値化して確認されていた訳ではありませんでした。
※タンザニアの季節は大きく雨季、乾季に分かれます。コーヒー収穫期の7月~9月は「大乾季」。特徴的なのは気温の変化で、TANJA農園の地域は、日中は26℃程度まで気温が上がりますが、夜は一転して12℃まで下がり、肌寒く曇りがちの時期です。
そこで、従来の感覚値に頼るだけでなく、今季から加工プロセスでのデータ収集を基にした「作業標準化」の取り組みを進めています。具体的には、下記のような各工程でデータを計測し、どのような管理が適切かチェックしました。
【データ収集の内容】
<計測値>
●TANJA農園の外部環境
*気温・湿度
●発酵プロセス
*発酵タンク内にあるコーヒー豆の温度
*発酵タンクから採取した水のpH
●乾燥プロセス
*乾燥工程中の水分値の変化
【写真2:様々なデータ収集を実施】
<計測方法>
●各加工プロセスにおいて、気温、湿度、発酵時間、コーヒー豆の温度、水分値、水のpH値…などを定期的に計測
●2024年の各加工プロセスにおけるデータの変化を見て、最適な発酵時間や乾燥にかかる時間を把握していく
※こうしたデータ収集についても手探りで進めているので、まずはどのようにデータを取っていくのか、という作業構築から始めています。
収集したデータを基に、各プロセスにおける適切な作業日数や管理方法、その基準となりうる数値などを探っています。
作業の標準化を進めていくことで、品質の安定化を図り、美味しいコーヒーの収穫に繋げていく…というのが狙いです。